ROVO@渋谷AX

フルアルバム「MON」のレコ初ライブだ。一昨年前の「FLAGE」レコ初でも使った場所だ。以前渋谷AX入った時は、大きなハコでROVOを観る初めての経験だったために、渋谷AXのデカさに圧倒されたものだった。うまく表現できないが、メジャーな人達が大入りで行なうライブの規模というものを肌身で知ったような気分だった。この日は当時以来(もしかするとDCPRGのライブで一回行っているかも知れないが…)の来場だったが、当時ほど広くは感じなかった。この感覚については、ROVO周辺のバンドがメジャー寄りになってきたため、ライブで使うハコサイズが平均的に大きくなってきているため、それに伴って自分が足を運ぶハコも広めのハコになり、その結果ハコの広さに慣れてきて、最終的に渋谷AXの大きさにさほど戸惑わなかったことにつながったのではないか。と感じているが、そんなことは別にどうでもよかったりする。
オープニングアクトGOMAはあまりよく観なかった。仕事帰りで遅刻したこと、ご飯を食べていたこと、着替えをしたこと、友達との合流を図ったことなどが直接の原因だ。ただ、それ以上に今年の「MAN DRIVE TRANCE SPECIAL vol.2」で既に一度観ていたため、それと同じであれば興味はもてない。単体演奏であれば非常に興味があるが、「DJing + ディジェリドゥ」形式の彼には、自分の支度より優先するほど興味を引かれることはない。
ROVOのライブはさすがだった。今回のアルバムはベースが非常にカッコいいが、ライブではそれがさらに極まっていた。そして、アルバム中最高に素晴らしい「LOQUIX」と「NOV」。この日のライブを一気に発火させたのは「LOQUIX」に違いない。12ビートのこの曲のうねりは脳の奥によく響く。そして「NOV」。10ビート独特の「ストライド走法で下り坂を駆け下りるような」スピード感と浮遊感。もっとも、この曲は全く盛り上がらなかった。個人的にはすごく好きなんだが。
アンコールのSUKHNA。中西加入後最初に作った曲だという。彼の脱退により、この曲の「爆発」前に長く展開される、膨張のようなシンセベースの応酬が聴けなくなるわけだ。非常に残念だが、仕方ない。その後の補充・補強は勝井次第だ。再びシンセを加えるも良し、この日のGOMAのように既存メンバーと音が被らない民族楽器奏者を加えるも良し、音響を作る山本とは別でメロディをつなぐことに専念するギターを加えるも良し。想像では、彼らはアンサンブルを重視するために、既存メンバーと全く被らない人物を加えるように思える。照明・VJなどもそうだが、彼らは常に複合的な価値を提供してきているように感じるからだ。もっとも、彼らのそういった部分が好きだからこそ、僕は彼らを追いかけている。