赤尾晃一「近未来・映像メディア―次世代ブロードバンドの映像戦略」

この人は、僕の出身大学の先生。彼曰く「オタク隔離病棟」たる危険極まりない研究室を率いている。確かに彼の取り巻きにはヘンなのばっかりいたが、僕は彼の授業は有用だったと思っている。
この本は4年以上も前に出版されたものだ。IT業界で「4年前」というのはたいそう昔の話であるということは、いまさら確認する必要の無い認識だと思う。そのたいそう昔から「近未来」を事実を元に論じる、というのがこの本の趣旨だ。で「近未来」とは一体何時頃までかだが、2004年現在ではまだその過程のようだ。
この本で出てくる「近未来」は、現在と照らし合わせることでその予測精度を検討することができる。そこで早速確認してみたが、これが結構当たっている。あのオタク保護者と同義のようにしか見えなかったあの先生が、結構な良書を作っていた。悩ましい限りである。